第20回「十月、深まる秋、楽しみもいろいろ」

榎本海月の連載

秋は楽しみの多い季節

十月にもなると流石に夏の名残も一掃されて、秋の雰囲気が深まってくる。
日本の秋は様々な実りがもたらされ、また生活にゆとりも出る(それだけに冬に備えて備蓄もしなければいけない)季節だ。そこで、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、睡眠の秋、芸術の秋、趣味の秋、紅葉の秋などという言葉も生まれた。
学生の本分は学業で、十月なら二学期の中間テストもあるだろうが、一方で学校としては文化面・生活面も大事にすることが多い。そのため、秋はイベントが目白押しということになる。

文化祭・学園祭・学芸会

十月によく見られるイベントとしては、文化祭・学園祭、あるいはそのバリエーションとしての学芸会があるだろう。前者は自由度が高く生徒に求められる責任も大きいので、中学生以上でよく見られるようだ。
文化祭・学園祭は文字通り「祭り」だ。学校を舞台に、様々な出し物や模擬店を行う。焼きそばやたこ焼きのような食べ物、お化け屋敷やスーパーボールすくいのような遊戯、娯楽といった本当の祭りでも見られるようなものから、展示発表のような学校らしいもの、そして教室を使えるからこそできる独特なものまで、実に多種多様だ。
これらを行うのはまず各クラスごと。そして、部活ごとだ。人によっては両方に参加するからずっと働きっぱなしということもあるだろう。部活の模擬店は活動内容と関係していることもあるし、全く無関係のこともある。ずっと店番をやらされて全く遊びに行けない人もいるだろうし、上手いこと責任から逃れて祭りを謳歌する人もいるかもしれない。しかし、学園祭や文化祭の楽しみとは皆で力を合わせて大きなことをやることだと思えば、真に楽しんだのは前者と言えるだろう。
一方、学芸会というと多くの場合は「スケジュールに合わせて順番に出し物を行う」ことになる。演劇をするのが最もポピュラーな形だろう。二学期が始まった頃、あるいは夏から準備を始め、大道具・小道具を作ったり、演技の練習を重ねたりし、本番に挑むことになる。いい役を得られたら注目されるが、脇役では舞台で立っているだけなんてこともある。しかし、それを良いと思うか悪いと思うかはそれぞれだ。
演目は何をやるのか。脚本集やインターネットから脚本を拾ってくることもあるが、オリジナルで脚本を作ることもある。昔は桃太郎や浦島太郎、白雪姫のような古典的童話が定番だったが、近年はライオンキングのようなある種本格的な演目もよく見られるようになった。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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