
三点リーダー(…)やダッシュ(―)は偶数で使うのが基本。しかしリズムを変えたいなど意図があるなら自由に使っていいだろう。むしろ、使いすぎによって鬱陶しくなってしまうことを気にしたほうがいいのではないか。
三点リーダー(…)やダッシュ(―)、たくさん使う人は結構多いんじゃないでしょうか。
プロの作品を見ても、ライトノベルではしばしば一見開きに二つも三つも使われていますよね。
どちらも、
・微妙な「間」
・絶句
・言い淀み
・ためらい
・余韻
などを表現するのに便利で、スタイリッシュな雰囲気を表現できることから、
多用してしまう人も多いように思います。
これについては「偶数セットで使うのが基本」という考え方が広まっていて、
「そうじゃなきゃいけない」と思っている人、結構いるんじゃないでしょうか。
確かに、プロが偶数以外で使うと、編集さんや校正さんから指摘されることはあります。
でも、これは別に絶対のルールではないのです。
なにか意図がある(リズムを作りたい、など)なら、奇数で使うのはOKです。
むしろ気にするべきは「使いすぎ」。
作家志望者の原稿でも、カッコよくしようとしすぎてものすごくたくさん使い、
非常に鬱陶しくなっているケースがあります。注意しましょう。
【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。