◆12回「ミュータント」

榎本海月の物語づくりのための黄金パターン キャラクター編+α

突然変異によって現れる

ミュータントは突然変異、という意味の英語である。転じて、なんらかの原因によって突然変異を起こした人間や動物のことをミュータントと呼ぶようになった。
有名どころでは、まず『ミュータント・ニンジャ・タートルズ』がいる。突然変異して人間のような姿と知恵を獲得した亀の四人組が、なぜか忍術を学んでヒーローとして戦う……というなかなか設定過積載気味のアメリカの作品である。
同じくアメリカ作品の『X-MEN』もミュータントが主役だ。こちらでは、突然変異で特殊能力を得てしまった人間であるミュータントが迫害される中、ミュータントの平和を獲得するためにヒーローたちが戦う物語である。
また、アフターホロコースト(ポストアポカリプス)ものでもミュータントはしばしば登場する。こちらの場合、文明を崩壊させた核兵器による放射能汚染とか、生物兵器として作られた存在などがルーツであることが多いようだ。
このように、ミュータントと一口に言っても「具体的にどんな存在なのか」に明確な定義はあまりなく、「元々は普通の人間(生き物)だったのが突然変異して、今は特別な特徴を持っている」以上のことは書き手が好きにやっていい、というものだと考えていいだろう。
あなたの作中世界に登場するミュータントは肉体が見るからに醜く変異しているのかもしれないし、むしろ美しい存在になっているのかもしれない。超能力を持っているのかもしれないし、大した能力はなく銃火器で制圧される程度の存在かもしれない。心は普通の人間そのものなのかもしれないし、変異のせいで知能が低下しているのかもしれない……。

対立し、差別され

ミュータントを登場させるなら、既存人類との対立・共存・差別は是非テーマとして扱いたい。全てが滅んでしまった世界ではむしろミュータントの方がノーマルな人類の可能性もあるし、普通に共存している可能性もある。一方で、知性を失ったミュータントが怪物として荒野を闊歩し、あるいは強力な力で人々を支配している世界もあるかもしれない。
現代や近未来社会なら、ミュータントはひっそりと社会の中で生きているのかもしれない。その存在が暴露されたなら、大いに迫害のターゲットになるだろう。特に、ミュータントが強い繁殖力や強大な能力を持っているなら、「新しい人類」としての勢力拡大と、それに対する既存人類からの強烈なカウンターが待っているに違いない……。

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【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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