新人賞の一次選考突破のレベルは上がってきているか

榎本秋のクリエイト忘備録

新人賞落選原稿についての情報収集をしている時に「新人賞突破のレベルが上がっているのではないか」という意見をしばし見ました。
こちらですが、明らかに上がってます。ここ10年ぐらいが顕著です。

・(私もささやかに貢献させていただいているのですが)小説の書き方の本が多数出版され、一次選考落選の原稿がどういうものかが周知された
・上記の本やWEBの情報サイトから業界の話が伝わり、同じく一次選考落選の原稿がどういうものかが周知された

ことが大きいです。

以前ですと小説の体をなしていればカテゴリエラーでも一次選考通ったんですよね。
たとえば、少女向けの賞に男性向けライトノベルを送っても、通りました。
しかし、応募作全体のレベルが上ったおかげで、きちんと小説になっている上で当該の賞に向いているかまで一次選考で見ることができるようになったのです。
なので、古くから指導している先生方からすると、近年の一次選考のレベルが上ったと思うのは間違ってないです。

私も選考を仕切らせていただいた時に、ある時期を境に一次選考の審査要項にカテゴリエラーを明記できた時がありました。
時代が変わったなとしみじみと思ったことを今でも覚えています。

今でも作家志望者さんと話すと「締切が近い賞に応募します」というのを聞きますが、その方に合う、もしくは書きたいものに近い賞に応募するようにお話しています。
みなさんもぜひ、自分の応募したい賞を見つけてそこでの受賞を目指してくださいね。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

榎本秋プロデュース 創作ゼミをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました