Q.小説創作に必要な準備って何ですか?

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A1:いろいろありますが、一番はデジタルデバイス

これも結構聞かれる話です。どんな準備をするといいのでしょうか。
まず、執筆に使う道具類について考えてみましょう。
いまどきペンと原稿用紙で書く人はほとんどいません。デジタルデバイスが必要です。
ちょっと前なら安めのノートパソコンを買う(特別なソフトを使うわけではないので、数万円程度のもので問題ありません)ことをおすすめしていました。デスクトップでも特に問題はないのですが、ノートの方が取り回しが良いので、プロ作家でも使っている方が多いですね。
ただ、今なら必ずしもノートパソコンにこだわる必要はないかもしれません。スマートフォンの性能もずいぶん上がりましたし、執筆のためのアプリも色々と揃っています。実はWordも使えたりします。家にパソコンがない人は、スマートフォンで書くのでもいいのではないでしょうか……ただ、フリック入力や、画面上に表示するキーボードだとどうしても入力速度に問題があります。Bluetoothキーボードを使った方がいいかもしれません。

あとは情報や資料の整理も必要ですね。メモのための手帳やボールペン、印刷した資料を整理するばいんだ=やファイルなどもあるといいでしょう。
ただこれも、スキャンしてデジタルデータで管理した方がいい、という人も多いかと思います。

部屋の乱れは心の乱れ……なんて親御さんに怒られた経験のある人もいるかもしれません。
でも実際、小説や漫画、ゲームなど誘惑するものが目に見えると心が乱れて集中を阻害しますし、必要な資料や道具がすぐ手を出せる場所にないと余計な手間がかかります。整理整頓も大事な準備ですね。

準備するのは道具類だけではありません。小説の執筆は時間と気力が必要な作業です。作業時間やそのための体力を確保するのも立派な「準備」になります。学生さんなら部活やバイトや友達との約束、社会人なら仕事や大人の付き合い。
それらをうまく調整しつつ、作業時間をしっかり確保したいものです。睡眠時間をあんまり削ると気力体力も削れてしまいますよ。

A2:あんまり準備にこだわるより……

ここまで書いておいてなんなんですけれども。「準備」にあんまり精を出さないほうがいいかも、と私は考えています。
これまで私が見てきた限りですと、しっかり準備をするタイプよりは、見切り発車でもとりあえず書いて見るタイプの方が、成功する人が多いように感じます。
ちょっと準備が足りず執筆が手間になるマイナスと、準備なんか気にせず一気に書いてしまうプラスを見比べると、どうも後者の方が大きいように思うのです。

もちろん、しっかり準備できているならそれは立派なことです。
でも、準備が未完成でも、書きたいという気持ちが膨れ上がってきたらそれに素直になって、一気に書き始めることをおすすめします。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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