自費出版について

榎本秋のクリエイト忘備録

小説家志望をしていると自費出版の誘いを受けることがあります。企画出版、協力出版とも言います。
コンテストに応募して、受賞はできなかったけどぜひ出版しましょう。つきましてはこういう経費で、と言われることもあります。

自費出版で商業流通することはあまりおススメしていません。と言うのも、本を売るのが難しいからです。
今の出版不況の時代に個人の自費出版の本が売れる確率は低いと私は考えています。また、色々な経費もかかります。自費出版というくらいですから、印刷費や流通費等の諸経費を自分で出さなければなりません。
小説家は本を出してお金を貰う仕事なので、逆にお金を出すのは違うのではないかと思っております。

どうしても自費流通で本を出したい場合は、プリントオンデマンドを利用して同人誌即売会や自分のHP・ブログ、委託サイトなどで売ることをおススメしています。
これなら初期経費がそれほどかからないからです。

WEB上で人気になれば自然とファンが付いて購入してくれます。
自費流通で本を出すなら、ご自身や作品のブランディングをしてファンを増やすことが大事だと思います。

小説家は、原稿を書いてお金をもらう仕事です。お金を払って本を出すのが目的ではありません。
本を出したいあまりに焦っているなら、いま一度自分がなにをしたいかと見直してみると良いでしょう。
もし出版の話が来ても、ご自身に負担があるなら次のチャンスを目指したほうが良いと思います。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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