創作基礎18:長編見直しのコツ

創作基礎

校正のコツ

校正(作品のチェック、推敲)は作品を完成させるために絶対に必要な最後の作業です。

面倒くさい、と思う人は多いですよね。もう書き上げたんだからそれでいいじゃん、という気持ちは良くわかります。
でもやぱり、ちゃんと校正をしていない作品は、未完成なんです。

物語は書き上げて、校正して、修正して、それでようやく完成なんです。
なので、今回は校正の話をしようと思います。

第一のコツは、「毎日校正をする」ことです。そんなに難しいことじゃないですよ。
その日パソコンを開いたら、前日書いたぶんだけ、さっと見直すということです。
しっかり見直さなくていいですよ、嫌になる可能性が高いですからね、
こうすると内容の矛盾やキャラ&文章のブレを防ぐことができます。

第二のコツは、「ちょっと寝かす」ことです。
書き上げて即見直そうとしない。一日とか、一週間とか、時間を置きましょう。
そうすると自分の頭も切り替わっていて、冷静に確認することができるようになっています。

ちなみにこれに関係して、「紙に印刷してみる」というのもあります。
モニター画面で見るのとは、やっぱり頭が切り替わってるんですね。
また、手にペンを持ち、赤字を書き込むと、脳への刺激もあります。
面倒でもやっぱり印刷して校正をするようにしてほしいのです。

文章のコツ、ストーリーのコツ

具体的に、どんなチェックをすれば良いのでしょうか。
文章面では、以下のようなところを注意するのをおすすめします。

・基本的な誤字・脱字はないか?
・文章の基本ルールを間違えていないか?
・漢字の開きの統一はされているか?
・……(三点リーダー)や――(ダーシ)を使いすぎていないか?
・「する」「だった」「だ」「である」などの文末がワンパターンになってないか? 
・何度も同じ比喩、同じ語彙を使い回していないか?
・一文が長くなりすぎていないか?
・句読点を打つ場所は適切か?
・代名詞や接続詞を使いすぎていないか?
・「の」が「~の~の~」と連続して続いていないか?
・専門用語が説明不足になっていないか?

一方、ストーリー面ではどうでしょうか。
キャラクターの行動が設定通りのものになっているか。ストーリーに矛盾はないか。もちろんそういうところを見てほしいのですが、その見方にテクニックがあります。

やっぱり、作品そのもの、小説文体でみると把握しきれないところがあります。
そこで、作品の中で起きることを箇条書きにするのがいいのです。
こうすると、物事を冷静に客観的にイメージすることができるようになります。

ともあれ、校正(推敲)はちょっと面倒ですが、やる価値のある、必要な作業です。
是非、挑戦してください。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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