♠47回「死体をいかにこの世から消すか?」

榎本海月の物語に活かせるトラブル&対応事典

己が遺族なら

前回は偶然死体と出会ってしまった場合にやるべきことを紹介した。一方の今回は「偶然ではない」ケースだ。あなたのキャラクターが自分の責任でもって死体を処理しなければならないとき、どうしたらいいのだろうか。
まずは正式に責任があるケース、つまりあなたがその死者の遺族である場合だ。この場合は法的にきちんと手続きをして埋葬までもっていかなければならない。
第一に医者による死亡診断書が必要だ。病院で亡くなったならそのまま書いてもらえるが、自宅や外なら頼んで書いて貰う必要がある。この診断書の左側が死亡届になっていて、7日以内に記入して火葬許可申請書とともに提出しなければならない。これで火葬許可が出たら火葬して、遺骨を墓に納めたら、これで現代日本の埋葬は終わりである。

犯罪としての死体始末

次に、あなたがその死体を「作った」ケースや、誰かに頼まれて処理をしなければいけないケースを紹介しよう。以下の事情は全て犯罪(死体遺棄、死体損壊)なので、実際に実行してはならない。
パッと思いつくのは「埋める」「沈める」だ。山に埋める、海に沈めるなどは運ぶことさえできればなんとかなりそうな気がする。しかし、埋めても骨が残っていつか見つかるかもしれないし、沈めても人間の死体は浮かび上がるようになっている(そのため、コンクリートで足を固める、などの手口がヤクザものでよく出てくる)。
ミステリーなどでしばしば見られるのは建物に塗り込める手口で、実際の事件では「ドラム缶に詰めてコンクリートで密封」という手段が使われたことがある。ただこのコンクリート法だと遺体が腐敗してガスを発散、内側から出たそれがコンクリートに亀裂を入れてしまい、見る人がその亀裂を見れば一発でバレる、という。
では、ヤクザのようなプロはどうするのか。コンクリート法をするにしても亀裂が走らないように工夫する、リサイクルアスファルトを作る時に遺体を放り込むと完全に燃え尽きてしまって痕跡が残らない、特殊な薬品で処理することでもやっぱり何も残らない、という話が伝わってくる。
ここまでは完全にプロの手口だが、アマ、つまり特別なツテが無い犯罪者はどうするのか。大きいから処理ができないのであって、小さくする、というのは実際の犯罪でも行われたことがある。実際の事件では水洗トイレに流されたらしいが、そこまで刻まなくともペット用の小型火葬車があれば何も残さず焼ける、という。
――繰り返すが、あくまで今回の内容は物語のネタにとどめてほしい。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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