第30回「生徒会」

榎本海月の連載

生徒会を構成する役員たち

今回はもう少し生徒会・委員会の実像に迫ってみよう。
一般に学生による自治組織の頂点に生徒会が立ち、その下部組織として各委員会が付く、という構造をしていることが多い。だから生徒会は生徒会室に陣取って指示だけする……と思いきや、権限を飛び越えて自由に動けるからこそ、雑務的な仕事に忙しい、というのもよくある話だ。
生徒会は一般に少数の役員で構成される。生徒会長(リーダー)、副会長(補佐)、書記(記録や議事進行)、会計(経理)、庶務(その他雑務)、あたりが標準的なメンバーだが、その人数やポジションは学校によって一部あるいは大幅に違ってもおかしくない。
 副会長が複数いたり、庶務が何人もいたり、あるいは特別な役職がいたり、だ。「広報」あたりは普通の学校でもいておかしくないし、普通でない学校では「警護」とか「特務」とかがいるのかもしれない。

生徒会と選挙

これらの生徒会メンバーは立候補と選挙で選ばれるのが主である。役職ごとに立候補するのが普通だが、チームを組んで陣営として立候補することもあろう。あるいは生徒会長だけが選挙で、他のメンバーはそこからスカウトというのもありそうだ。
学校によっては「主要メンバーだけ」ということもあるかもしれない。生徒会が形骸化している学校ではいわゆる信任投票(ひとりしか立候補していないので新任するかしないかを投票する)しか行われないのが常であろう。
ただ、この生徒会選挙が常に「形だけ」であるとは限らない。生徒会にある程度の実権がある学校(予算が少しは動かせる、とか)では、その実権を狙って立ち上がる候補がいるかも知れない。自分たちに予算がほしい各部活が関係者を立候補させたり、何がしかの学校改革をもたらしたい(制服を私服にしたい、学食を安くしたい)人たちが生徒会長の椅子を狙ったり、だ。
いや、そもそも単なる目立ちたがり屋や、「生徒会長を努めたら内申点に有利」、あるいは「生徒会長だけが着られる制服がカッコよくて」なんて理由も十分に考えられる。学校での人気を二分する二人の生徒が、決着をつけるための人気投票としてそろって生徒会選挙に参加する……そんな可能性さえありうる。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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