商業出版のための長編小説の書き方を改めてまとめます

榎本秋のクリエイト忘備録

私が学校で教えている時や所属作家さんと小説を進める際は

①200字から400字の簡単アイディア
②1000文字程度の詳しいプロット
③2のプロットがokになったら、章ごとの詳しいあらすじや、キャラクターの設定などをつめて執筆

という流れで行うことが多いです。
たまにプロットをまとめるのが苦手な人や、そもそも短編連作でないと長編が書けない人もいます。
その場合はなんとなくの方向性だけ決めて書いてもらい、完成した後にアドバイスをして直していきます。

プロットも、400字詰め原稿用紙100枚くらい書く人もいれば、②の段階で書き始めて書きながら調整していく人も居たりと人それぞれです。
とはいえ、上記の流れで長編を仕上げ、その後何度か相談をしながら修正し、新人賞に応募できるレベルに持っていくというのが大抵の流れです。

これが商業になると何が変わるかと言うと、
まず、よほどの売れっ子ではない限り、プロットのOKがでないと執筆開始できません。
なので、プロットをまとめること。それも1000字程度で読みやすくまとめる技術が商業作家には求められます。
A4用紙10枚のプロットは編集者にはかなりの負担です。なので後回しにされてそのまま…ということもあります。
場合によっては原稿を仕上げてから相談ということもありますが、あまりに求められているものと違ったらまずいので方向性の確認はします。

なので、プロットの段階で

・その作品で何を描きたいのか
・その作品の売りや新規性は何なのか


ということは固めておくと良いと思います。

あと、自分がデビューしたジャンル以外に持ち込む時に注意点が一つあります。
自分があまり知らないジャンルに進出するときは、最低限そのジャンルの売れている本や新人賞受賞作品を読んで
ある程度の土地勘は得るようにしてください。
昨年、ある作家さんに読んでほしいと言われたプロット2つが、どちらもそのジャンルの特性から見事に外れていてびっくりしたことがあります。
そういうことがないように最低限のマーケティングをすると良いと思います。

ちなみに、プロット通りに原稿を書いてもOKが出るとは限らないです作品を読んだ結果、商業出版のレベルに耐えれないと思ったら編集さんと話し合いになります。
厳しいですが、読者さんはもっとシビア。読んでみて価格の価値がないと思ったら次は買ってくれないのです。
そういう厳しい世界に行くのだと自覚してもらえると嬉しいですね。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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