Q.世界設定ってどれだけ作ればいいのですか?

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A:作りたいだけ作って、捨てましょう

これもよく聞かれる質問の一つです。でも、この問いかけは実は聞いてくる人によって意味が変わってくるんです。つまり、世界設定を作るのが得意な人と、苦手な人の場合です。
まず、作るのが得意な人のケースについて考えましょう。その場合の答えは「好きだけ作っていいですけど、全部使おうとしないように」です。いらないものは捨てるのです……と言ってもデータとして消すのではなく、使わない、と言うことです。
世界設定というものは、考えただけ全部使えばいいというものではありません。あくまで、物語の土台として、必要な時に必要なだけ出せばいいもの。
「この設定をどうしても入れたいからエピソードを増やそう」
「王国の歴史をあれこれ考えたから全部入れてしまおう。文字数稼ぎになるからちょうどいいよね」
こう言うのが一番ダメです。せっかくの設定にかけた苦労が台無しです。読者は物語を楽しみたいのであって、設定を読みたいのではありません。
世界設定をたくさん作るタイプのあなたは、作った設定の中の一割でも活かせればラッキー……そのくらいの気持ちでいることをお勧めします。
大丈夫、直接物語の中に登場しなかったとしても、複雑に作っておいた設定は他の設定を支える形で、物語に深みを与える効果を発揮してくれるものです。

A:必要な分だけ作りましょう

一方、世界設定作りが得意でない、好きでない人はどうしたらいいのでしょうか。簡単です。必要な分だけ用意したらいいのです。
プロット時点で出てくる地域や組織のことについてはちゃんと考えましょう。出てこなかったり深く関わらないことまで考え込む必要はありません。
大事なのは、苦手なことに気を取られるよりも、原稿を書き進めることに集中することです。人間が持っているエネルギーは有限ですから、振り絞りましょう。
書いている中で必要な設定もそのたびに考えましょう。ただその時、どう考えたかはちゃんとプロットに書き加えること。そして、前のプロットもいちいち確認すること。記憶違いで矛盾したことを書いちゃった、なんてケースはよくありますからね。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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