Q.名前ってどうやってつけたらいいですか?

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A:参考になる情報を探しましょう

キャラクターの名付けでも苦戦する人は多いようです。中世ヨーロッパ風ファンタジー世界の登場人物など、外国人的な名前をする時、言葉の響きだけでなんとなくつけてしまって奇妙な名前、あるいは「どの国にもいそうにない名前」をつけてしまう人。日本人風の名前をなんとなくつけたけど、ネタ切れになってしまって似たような名前ばかりになってしまう人。他にもさまざまなパターンを散見します。どうしたらいいでしょうか。
一つのおすすめは、「名前の参考になる資料を探す」ことです。たとえば、「今年はこんな名前を付ける人が多かった」などというニュースがちょっとインターネットを探せば見つけることができます。「こんな変わった苗字や名前の人がいますよ」などという記事もあるでしょう。
あるいは、図書館などに行きますと「こういう名前は縁起がいい」などの名付けの本も見つかります。その近くには、各時代や各地域ごとの人名がずらっと並んだ人名辞典も見つかるはずです。
そのような既存の名前を(そのままよりは、複数の名前をバラバラにして、組み合わせて)使うことで、自然なネーミングをすることができます。だって、実際に存在する(存在した)人の名前なんですから! ケチのつけようがないですよね。ただ、身近な人の名前を使ったりするとトラブルのもとになったりしますので、ご注意を。

A:名付けのルールを把握しましょう

もう一つのおすすめは、名付けのルールをしっかり把握することです。
多くの時代や地域、文化において、名付けにはルールがあり、名をつけた人の思いがこもっています。それは今となっては無意味になっているもの(~衛門や~兵衛などは天皇を守る役目の人から来ていますが、今となってはただの名前です)もありますが、今なお意味を込められてつけられる名前もあります。中でも「親が子供に将来こんなふうになってほしいと名前をつける」というのは、未来永劫消えることがない名付けのスタイルの一つでありましょう。
他に、どんな名付けのルールがあるでしょうか。東洋では家族を表す名字(姓)が先、個人名が後ですが、西洋ではこれが逆転します。セカンドネームなど名字と名前以外にいろいろな意味(親や先祖の名前など)を込めるケースもあります。とくにおもしろいのは、「日本人からするとぜんぜん違う名前だけれど、西洋人からすると同じ意味をそれぞれの言葉で言っているだけ」なんて話。ジョン(英語)とヨハンあるいはハンス(ドイツ語)とジャン(フランス語)とイヴァン(ロシア語)が全部一緒なんです。信じられますか?
このあたりのルールをしっかりおさえると、全体の雰囲気を統一させた名付けをすることができます。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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