Q.何も思いつかない時ってどうすればいいですか?

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A1:頭に刺激を受けましょう!

ありますよね、そういうこと。
たくさん考えよう! とはいっても、実際何も考え付かないことってあります。頭の中が空っぽになってしまったのではしょうがありません。
具体的にどうしましょうか。

一つの方法は「刺激を受ける」ことです。人間、無から有は生み出せません。私たちが物語を作るとき、それは真の意味でのオリジナルではありません。それまでの人生での経験や体験、読んできた本、聞いてきた話などを頭の中で混ぜ合わせて物語を作っているんです。ということは、「何も思いつかない(アウトプットできない)」のは「インプットが尽きた」可能性が高いということに他なりません。

というわけで、インプットしましょう。本を読み、テレビを見て、友達と遊び、お出かけをしましょう。できれば、普段やらないようなことがいいですね。インプットはされているけれどワンパターンだから発想が固まってしまう、というケースも多いのです。
このとき、「取材するぞ」「小説のネタをあつめるぞ」という前のめりの姿勢はあんまりお勧めしません。
そういうスタンスでアイディアが出せるなら、「何も思いつかない!」という状態にはなりにくいからです。
肩の力を抜いて、楽しむつもりでいてください。その方が刺激になるはずです。

A2:小説のことは一旦忘れましょう

もう一つの方法は(さっきも似たようなことを書きましたけれど)肩の力を抜く、リラックスをする、ということです。

どんな時に良いアイディアが沸くかは人それぞれ、ケースバイケースです。資料の山の中で「これだ!」となることもあれば、お風呂でゆったりリラックスしている時にこそひらめきが降ってくることもあります。
ただ、「何も思いつかない!」状態になってしまっているなら、力を込めるよりは弛緩して、気分を変えた方がうまくいく傾向が多いように思います。これは私の観察経験によるものでもありますし、「押してダメなら引いてみろ」的な考え方によるものでもあります。
小説のこと、創作のこと、締め切りのことなどは一旦忘れて、お風呂に入ったり、日向ぼっこしたり、スポーツに汗を流したり、温かいものを食べたりしてみましょう。

うまくリラックスできないなら、いっそ寝てしまうのも一つの手です。人間の脳は寝ている時に頭の中の整理をします(夢はこの時に見るものだとか)。
そうして整理されてこそ、「あれ、なんで昨日はこんな簡単なことが思いつかなかったんだろう」なんてこともあるものですよ。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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