作家志望によくある小説が最後まで終わらない

榎本秋のクリエイト忘備録

作家志望あるあるの上位に君臨するのが、「最後まで書き上げられない」です。

・書いているうちにつまらないと思ってしまった
・文章が納得いかなくなったので書き直した
・なんかしっくりこない

などの理由で執筆が止まり、次の作品を書き始め、それも止まりと、1作も最後まで書けないということが非常に多いです。専門学校に通う生徒さんでさえ1作も完成できずに卒業していくのは珍しいことはではありません。

気持ちはわかります。
しかし最後まで書かないとダメだと私は思っています。
完成しないと評価のしようがないからです。周りの人に読んでもらうことも難しいですし、新人賞への応募ももちろんできません。日の目を見ずに終わってしまうのです。

それでは完成させるにはどうすればいいのか。
私がお話しているのが

・文章は気にしないで最後まで書く
・書けないシーンがあったら箇条書きにして飛ばす

です。

作家志望の中には完璧主義の方がちらほらおられます。
初稿を執筆している時点で完璧な原稿になっていないと気が済まなく、納得できないと何度も修正し、最悪途中で投げ出して次の作品にいってしまう。
これでは完成させるのは難しいです。なので、納得できない箇所は後回しにします。
文章は気に食わないと思ってもひとまず進めます。書けないシーンは書ける部分のみ書き(とりあえずセリフだけ書いておくetc)、なにを書かなくてはいけないのか箇条書きでメモしておきます。そして次へ進みます。
そうして先へ進み続ければ一旦「完成」するのです。
その後、気に食わなかったり飛ばしたりした箇所をじっくり修正・執筆していきます。当時は書けなかったけれど、日を空けたらあっさり書けた、なんてこともあります。
それでも書けない、と思ったら周囲に助言を求めましょう。学校に行っていれば先生に相談すればいいです。
先生としても、とりあえずでも最後まで書き上がっていればアドバイスのしようがあります。全体像が見えていればそれに沿ったアドバイスができます。

プロット(企画書)をきちんと作ったなら、あとは最後までとにかく書くことです。
書き終えた後に「プロットで何を決めなかったから書きづらかったのかな」などと反省すればいいわけです。
途中で投げ出すのだけはやめましょう。
見直しすぎて進まないのもあまりよろしくありません。時間だけが過ぎていきます。
えいや! とある種のあきらめも肝心です。まずは「最後のシーンまで書く」を念頭に執筆していきましょう。

関連記事2020年4月版 作家志望だけど小説が最後まで書けません」をアップしました。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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