「てにおは」に気を配る

文章・描写

「てにをは」というのを聞いたことがあるはず。
日本語の分類では助詞や助動詞などに分けられます。

「で・が・に・を・は・の」など、言葉と言葉の間に挟まって、
意味を付け加えたり、それぞれの関係を表したりします。

ところがこの「てにをは」、非常に間違いやすい言葉でもあります。
なぜかというと、一つの言葉が含む意味がすごく多いからです。常に適切に使える人はけして多くありません。

たとえば、以下に名詞につく格助詞の「が」の用法を、「デジタル大辞泉」まで引っ張ってきてみました。

1 動作・存在・状況の主体を表す
2 希望・好悪・能力などの対象を示す。
3 (下の名詞を修飾し)所有・所属・分量・同格・類似などの関係を示す。
①所有。…の持つ。「われら―母校」
②所属。…のうちの。
③分量。
④同格。…という。
⑤類似。…のような。

 これらをパッと見ただけで判別できますか?
 ……いや、割とみんな、普段はできているのです。子供の頃から日本語を使ってきましたから、
「こういう時はこう」と反射的に判断できるのです。

でも、常にできるわけではありません。
特に勢いに乗って書いているときなどはどうしても失敗しがちです。

だから、一度書いてから落ち着いて見直すことが大事です。
特に音読すると違和感が出やすくなります。おすすめです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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