主語の省略に注意!

ワンポイント

日本語は変わった言葉だ、とよく言われます。
漢字ひらがなカタカナの三種類の文字を使うことなんかが有名ですね。
そうした特殊性の一つに、「主語をどんどん省略すること」があります。

英語の授業を思い出してみてください。IとかYouとかItとか、必ず主語が入りますよね。
流石に口語では省略することも多いらしいんですが、文章では必ず主語が入ります。

日本語は主語をガンガン省略します。
省略したほうがスマートな文章に見えます。
この辺、日本人の「みなまで言わすな」文化もありそうです。

でも、気をつけてください。特に小説を書きなれていない人は、省略しすぎて
「何のことをいっているかわからない」
「誰の行動なのかわからない」
ケースが結構あるんです。

「この一文の主語は省略されているけれど推測できるかな?」というのは、
「この台詞は誰の台詞なのか明言されていないけどわかるかな?」と並んで、
編集さんが気にするポイントです。注意してください。

テクニック的なアドバイスとしましては、
あるキャラの状況や動きの説明、ある事柄の紹介をしている時、主題が切り替わったら改行して段落分けをする
癖を付けることをおすすめします。

こうすることで一つのブロックが一つの共通する主語を持つ可能性が高くなりますので、
書き手にとっても、読み手にとっても、主語がわかりやすくなるのです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『異中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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