43時限目「ホラーには2種類あり!?」

榎本海月の連載
その43:「恐怖」をエンタメに活かす!

直接的恐怖と間接的恐怖

ホラー、つまり恐怖を主題にする作品はエンタメでも主流ジャンルの一つです。恐怖をもたらす「危機」によってピンチに追いやられた登場人物たちが、それを乗り越えようとする展開は、自然とドラマチックなものになるからです
ここで重要になるのが、恐怖の質です。ここでは2つに分けて考えます。
1:恐ろしい怪物や武器を持った人間が迫ってくるような直接的な危険→仮に言うなら「ハリウッド型」。
2:自分が自分で無くなってしまったり、自分が消えてしまうような危険→仮に言うなら「邦画型」。
それぞれについて詳しくは動画をご覧ください。

わからないから怖い!

ホラーをより魅力的にするためにはどうしたらいいのでしょうか。
1つのポイントは「理解できない&予測できない」こと。わけがわからないままで命や魂が危険にさらされることで、ただの危機よりも恐怖が倍化されるのです。
また、青春テーマと組み合わせるのも有効です。思春期の不安定さは自我の危機とも相性がいいですし、また怪物や幽霊に遭遇することで自分の欠点や問題と向き合って成長する物語パターンも描きやすいのです。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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