41時限目「おすすめ本紹介⑥『戦国の忍び』」

榎本海月の連載
その41:平山優『戦国の忍び』

忍者は人気!

忍者は文句なしの人気モチーフです。特に海外で人気なイメージがあります。他にも刀や侍など、和モチーフは強いと言えます。
ただ、今回紹介する本は海外で好まれるような荒唐無稽な、フィクション的な、ファンタジックな忍者ではなく、「リアルな忍者」です。さて、史実上存在した彼らはどんな存在だったのでしょうか。

リアルな忍者の仕事

その仕事の第一は偵察ですが、他にも多種多様でした。最前線での敵の排除や、敵の村への攻撃、敵の情報網の破壊・情報奪取、さらには敵陣地への夜襲など。彼らが危険な任務を担うからこそ、武士たちは戦争ができたのだと言います。
これらを行う忍者はちゃんと正社員的に雇われているケースもありましたが、非正規的な、使い捨てのケースも非常に多かったようです。戦国時代は居場所を失って食い詰める人が多かったですから、そんな彼らがこき使われたわけです。現代と重なる部分も多い話なのですね。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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