40時限目「こうだったらいいなあ」

榎本海月の連載
その40:願望を叶える物語

願望と物語

こうだったらいいな、こうなりたいな、という願望が投影・実現される物語は人気があります。物語の中で自分の願望がかなうさまが描かれるだけでも読者には気持ち良さがあるし、そうでなくともドラマチックさを生み出す力があるからです。
願望から生まれる物語は大きく「書き手の願望がかなってしまった世界」と「主人公がその願望をかなえてしまった世界」があります。どちらも、読者の願望とうまく重なれば、読んでいて気持ちの良いものになるでしょう。

かなえばそれでいい、ではない

願望がかなう物語は、必ずしも「願望がかなって何もかもうまくいってハッピー!」で済む訳ではありません。願望の叶い方が露骨で「すべてうまくいく」と、物語に起伏が生まれにくく、また読者としても素直に楽しめない展開になりがちです。解決法のヒントは動画の中で紹介していますので、ご覧ください。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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