タイトルとは
今回はタイトルの話です。小説家志望者にタイトルのテクニックそのものが必要か……というと、必ずしもそうではありません。新人賞に送る場合、受賞後に改題を求められることも多いからです。タイトルで注目されるケースも多くないでしょう。
しかし、ウェブで作品を発表するならタイトルはすごく大事です。タイトルで興味を引けるかどうかがファンをどれだけ獲得できるかにかかってくるからです。
タイトルは「印象的でありつつ、ネタバレにならず、作品の内容と離れていないものが良い」といえます。一方、アルファベットだけ、カタカナだけ(特にオリジナルの言葉だけ)などはあまり好まれません。
タイトルの意味
その上で、新人賞に贈る場合でもタイトルはきっちり考えることをおすすめします。なぜかというと、タイトルについて考えることは「自分にとってこの作品で一番大事なことは何か」を考えることとイコールだからです。作品の顔ですからね。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。