「スカッ」の正体
今回の動画では、長編でも短編でも使える盛り上がるパターン、「スカッ」を紹介します。「ざまぁ」なんていい方をすることもありますね。簡単に言い換えれば「嫌な奴がひどい目にあう」になります。
ポイントとして、先に嫌なやつとしてアピールしておくことがあります。敵やライバルが単に酷い目にあうだけだと読者的に同情の心も湧きますが、「嫌な奴」とわかっていればそれが倒されることはスッキリにつながります。
勧善懲悪
このスカッと展開を演出するための伝統的なパターンが「勧善懲悪」(善を勧め、悪を懲らしめる)です。古くは時代劇でよく見られましたし、今でも漫画やドラマなどで定番のひとつになっています。面白いところではバラエティ番組に『痛快TVスカッとジャパン』というものがあって、みんな変わらず好きだなあと思いますね。
なお、「スカッ」は「1:苦しめられている人が立ち上がるケース」「2:よそからやってきた人が悪人を懲らしめるケース」の二つに分かれます。具体的には動画でどうぞ。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。