12時限目「ベタがあなたを救います」

榎本海月の連載
その12:ベタがあなたを救います

「ありえない」と「ベタ」

前回に続いて「ありえない」を面白い話にする方法について紹介します。それは「ベタ」を学ぶことです。ベタというのは「普通」「よくある」「特別でない」など。特に物語創作においては王道展開のことですね。
「ありえない」と「ベタ」は双方を活かし合う関係にあります。ベタの安定した物語展開を利用しつつ、そこに「ありえない」の面白さを乗っける、といういわばハイブリットなお話づくりが理想です。

「ベタ」を掘り下げる

もうちょっと具体的に話を掘り下げてみましょう。ベタと一口に言っても色々あるもの。その中のどれを使っていいのかわからないという人も多いでしょう。
そこでオススメなのが、「あなたが物語を呼んでいて一番スカッとする時」「キャラクターをかわいい、かっこいいと思う時」について考えることです。その一番魅力的なストーリー=ベタと「ありえない」を組み合わせるとうまく行きます。動画で例をあげつつ話していますので参考にしてください。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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