2時限目「ちょっとしたシーンからでいいんです」

榎本海月の連載
その2:思いついたシーンからはじめませんか

とっかかりが大事

この回はお話を作る時の「とっかかり」の話です。
ハウトゥー本などでは「まずプロットをしっかり作るところから創作を始める、その際にはテーマをきっちり定めて……」などスケールの大きな話になりやすいです。
最初からやる気満々の人を想定しているハウトゥー本ではこれでOKですが、YouTubeではそもそも何をしていいかわからない人を想定して、とっかかりのアドバイスをしました。

レベルに合わせたとっかかりがある

実際、専門学校にくる生徒さんでも、そのレベルは本当にばらばら。
何も言わなくともバリバリ書いちゃう人から、悩み悩みなんとか書ける人、そして書いたことがないしどうしたら書けるのかわからない、という人までいました。
そこで、どうしたらいいかわからない人には、「書きたいことを書く」でいいんだよ、というアドバイスをしてきました。頭の中にあるシーンをなんでもいいから書いてみることから始めてみてね、と。イメージを文字にすることに慣れて欲しいのです。
慣れている人もいます。そんな人でも、大きな話がうまく作れなくて悩むケースがままあります。その場合は「小さなことから書いてみましょう」とアドバイスします。
これも「とっかかり」です。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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