No.47 「クリストファー・コロンブス」

榎本海月の連載

西回りでインドへ!

コロンブスは新大陸、つまりアメリカ大陸の発見者としてよく知られている。しかしその実態はなかなか毀誉褒貶ある人物であった。
コロンブスはイタリア、ジェノバの生まれである。毛織物業者の子として生まれ、若い頃から地中海を中心に航海の経験を積んでいた。また、さまざまな勉強をして「現在は東回りでインドへ行くことが模索されているが、実は西回りにインドへいくことができるのではないか」と考えるに至った。
そこでポルトガル王国へ計画を持ちかけたが叶わず、そこでスペインのイサベル女王に売り込み、支援を受けることに成功した。そしてサンタ・マリア号他の船で西へ進んだコロンブスらはサン・サルバドル島(バハマ諸島の一つ)に辿り着いた。これがいわゆる「アメリカの発見」とされる出来事だ。
以後、コロンブスは四度にわたって航海を行い、新たな島の発見や植民地づくりなどを行なったが、内部不和や暴風雨などにも巻き込まれ、特に後半になるほど散々な目にあった。最後にはイサベル女王が亡くなってパトロンも失い、失意のうちに亡くなった。
また、コロンブスは自分がたどり着いた場所は「インドだ」と最後まで信じた。これは当時の測量技術では経度が上手くはかれなかったことが原因であるという。のち、アメリゴ・ヴェスプッチがこの土地をインドではなく新大陸であると証明し、彼の名をとって「アメリカ」と呼ばれるようになったわけだ。

針小棒大の人

コロンブスは偉大な探検家であることは間違いない。ただ、人格的には随分問題のある人だったようなので、彼に降りかかったトラブルはも少なからず彼自身に原因があったのではないかとも思える。
どんなところに問題があったのか。彼は自分の発見を針小棒大に語りまくったのだ。見つけた島々からは黄金や奴隷などが無数に取れる、人口もたくさんいる、非常な利益が見出せる……というわけだ。しかし、実際にはそんなことはなかった。彼を擁護するなら「更なる探検のためにハッタリも必要だった」ということになるが、そもそもコロンブスは元からホラ吹きであったともいう。彼のような人物を描くにあたっては参考になる側面ではないか。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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