No.48 原作:たかしげ宙、作画:皆川亮二『スプリガン』

榎本海月の連載

原作:たかしげ宙、作画:皆川亮二『スプリガン』(小学館、全11巻、1991~1996)
初出:『週刊少年サンデー』(1989~1996)

超古代文明の遺産がもたらすもの

この世界のはるかな過去には、私たちの想像も及ばないような超文明があった。その超古代文明の遺産は世界の各地に残されており、価値を理解せぬもの、あるいは悪意を持つものの手に渡れば世界を破滅させかねない。超古代からのメッセージを受け取った人々はアーカム財団を作り上げ、遺産の回収と管理を試みた。
そのアーカムに所属し、超人的な技によって戦う者たちをS級エージェント「スプリガン」と呼ぶ。本シリーズはそのスプリガンの一人、普段は高校に通いながら事件があれば世界中のどこにでも飛ぶ少年、御神苗優と仲間たちの活躍を描いた物語である――。
優が戦わなければいけない相手は実にさまざまだ。遺産を悪用しようとする各国の軍やネオナチ、アメリカ軍の秘密部隊マシンナーズ・プラトゥーン(名前の通りサイボーグの集団)などの組織だけでなく、己の意思を持ち人類に牙をむく遺産や過去の亡霊が立ちはだかることも多い。そして、アーカムすらも欲望を剥き出しにしたとき、優はなにを決断するのか?

男の子の憧れ!

「高校生にしてエージェント」や「実在して世界さえ動かしかねないオカルト」など、80年代から90年代にかけて人気のあった要素をぎゅっと圧縮したような作品である。現代の目からすると古めかしく見えるかもしれないが、男の子の憧れとしての輝きは衰えていないし、むしろオカルト人気が復活しつつある現代ではむしろ最先端になりうるテーマ性を秘めていると思うのだが、いかがだろうか。Netflixのオリジナルアニメシリーズとして2021年には配信開始予定であるし、いま手を伸ばしてみて損のない作品である。

<購入はこちら>

『スプリガン』 honto 紀伊國屋書店


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

タイトルとURLをコピーしました