◆23回「ライター」

榎本海月の物語づくりのための黄金パターン キャラクター編+α

ライターとは

ライターは文章を書く仕事だ。著述業などと呼んだりする。会社に所属するライターもいるし、あくまでフリーランスで活動するライターもいる(フリーライター)。
ライターは書籍や雑誌の制作に参加することが最も多い。出版社や新聞社、広告代理店から依頼を受けて、記事一本いくら、本一冊いくら、あるいは文字数でいくら、で仕事を受ける。記事の末尾に名前が出る記名記事を書くものというイメージもあるかもしれないが、名前の出ない仕事もある。
しかし、別の形で仕事をするライターもいる。コピーライターといえば広告の文言(これをコピーという)を考えるのが仕事で、糸井重里がよく知られている。また、テクニカルライターという職種もあり、こちらは名前の通り技術に深く関わる仕事になっている。取扱説明書を書いたり、技術者を翻訳したりだ。
この二つはまさに専門性のあるライターで、このように得意分野がはっきりしているのがライターの一つのあり方だ。政治、経済、スポーツ、学問、趣味など、それぞれに専門分野を持っていて、その分野については深い知識やコネクションがある。仕事を受ける時にもその分野を主にする出版社や雑誌からになる。
一方で、そうではないライターもいる。専門性のない、つまり「代わりがいくらでもいる」ライターはどうしても単価が安くなりがちだ。特に近年は新たな媒体としてインターネットが登場した結果、簡単なまとめ記事やレビューなどを大量に制作する仕事などが非常に安価で依頼されるケースがあるようだ。このような仕事で専業のライターをやっていくのは難しく、時間のある人が副業的に大量にこなしているのだと思われる。

物語の中のライター

物語の中のライターはどんなポジションになるだろうか。おおむねマスコミ、ジャーナリストに近い存在といっていいだろう。特にその専門分野においては知識とコネがあり、普通の人は知らないようなことを知り、辿り着けないような場所・人にアクセスできる可能性がある。特にフリーならではの行動の自由さ、専門分野から生まれる縁などを中心にキャラクター性を組み立てると良いだろう。

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【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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