◆20回「詐欺師」

榎本海月の物語づくりのための黄金パターン キャラクター編+α

詐欺の手口

詐欺師は文字通り詐欺をする人だ。詐欺は基本的にどの社会でも犯罪であるから、詐欺師は同時に犯罪者でもある。
詐欺師は人を騙す。一番よくあるパターンは、「価値のないものを価値があるといって大金で売る」ケースだろうか。それは形のある「もの」かもしれないし、「サービス」かもしれないし、もっと別の何かかもしれない。
たとえば「宝石だ」といってガラス玉を売りつけたり、「あそこは再開発が入って値上がりする」と原野を売りつけたり、「このグループに参加すればすぐにたくさん金が入る」といって高額な入会費をとったり、という具合だ。
あるいは、最初は詐欺のつもりはなかった、ということもあるかもしれない。本当に儲ける仕組みを作ったはずが上手く行かず、あとから来た会員からのお金で前の会員のためのお金を払っていたら、ついにどうにもならなくなって……たまにニュースで聞くケースだ。

詐欺師の類型

詐欺師はどんな人物のイメージだろうか。
とにかく口がうまい、頭の回転が速い、その場の空気を作るのがうまい、というのが一つの類型だろう。よく喋って相手を圧倒させ、頭を真っ白にして、気づいたら不利な契約をさせられたり、胡散臭いものを買わされたりしているのである。
しかし、正反対のパターンもあり得る。普通の人、誠実に見える人、真摯そうに見える人が実は詐欺師だったりするのだ。それは演技で取り繕っているケースもあるし、その瞬間は本気でそのような人格になっていたりもする。このような詐欺師を見破るのは難しく、手強い。

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【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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