ゲームを遊ぶ人々
ゲーマーという言葉を文字通り捉えると「ゲームを遊んでいる人」である。しかし、ゲームがこれだけ広まった現代にあっては、単に趣味でゲームを遊んでいるだけでは特筆して「ゲーマー」とは言えないかもしれない。ゲームに熱中し、生活のかなりの部分をゲームに注ぎ込んでこそゲーマーだ、と考えている人も多いだろう。ライトな層なのか、コア・ハード・ヘヴィな層なのかで、ゲーマーとしてのあり方は大きく違う。
また、ゲームにはとにかく多様な種類がある。囲碁将棋チェスといった伝統的ゲームがあり、「カタンの開拓者」などで知られるボードゲームがあり、マジック・ザ・ギャザリングを祖とするTCGがあり、そしてコンピューターゲームがある。コンピューターゲームはさらに細かくRPGがあり、STGがあり、格闘ゲームがあり、パズルゲームがあり、FPSがあり、RTSがあり……。これらのジャンルを跨って遊ぶ人もいるし、他のジャンルには目もくれない人もいる。最近はスマホなどを利用したいわゆる「ソシャゲ」を遊ぶ人も多い。
どんなゲームを、どれだけ遊んでいるのか。キャラクターとしてのゲーマーを設定するならこの点は絶対に欠かせない。
もはや「遊び」の枠にとどまらず
ゲームは趣味だし、ゲーマーは趣味人だ。彼らの生活の基軸は別にあり、余暇の時間をゲームに注ぎ込んでいるに過ぎない……とは限らない。特にこれからは。
いま、世界的にゲームは「eスポーツ」となっている。サッカーや野球のように、ゲームプレイを試合として行い、観客に公開し、賞金も出る。優れたゲームプレイヤーは「プロゲーマー」として生活をすることさえ夢ではないのだ。……もちろん、決して簡単なことではないけれど。
また、別の活躍の機会もあるかもしれない。現在、軍事兵器だったり、あるいは放射能地帯や深海、宇宙などの特殊な場所で活用する機械のうち少なからずが、コンピューターゲームと同じような仕組みによって動くようになっている。優れたゲーマーがスカウトされ、兵器やロボットを動かすことに……というのはかなりリアリティのある展開になっているのだ。


【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。