◆3回「地方移住者」

榎本海月の物語づくりのための黄金パターン キャラクター編+α

Uターン、Iターン

近年、UターンやIターンなどの言葉をよく聞くようになった。前者は「一度別の場所(多くは都会)へ出た人が故郷に戻って定着する」の意味であり、後者は「もともとの故郷では無いような場所にあたかもUターンのように移住する」の意味である。都会のクールな社会に疲れる人が増えたり、団塊世代が定年になってセカンドライフを模索するようになったことから、「地方であればより良い人生を送れるのでは無いか」というムーブメントが起きたこと。加えて、地方の側も人口減少に苦しみ、移住者を求めていることから、両者の思惑が合致した、といえる。
地方移住者のあり方はそれぞれだ。以前と同じような仕事をする人も多いし(ITの普及で、リモートワークが可能な仕事が増えたため)、全く新しい生活を切り開こうとする人もいる。すなわち、農業、林業、漁業のような第一次産業に挑戦したり、自給自足での生活を試みたりする人もいるわけだ。

地方移住者と物語

物語のキャラクターとしての地方移住者はどんな活躍をするだろうか。一番ありがちなのは「夢と希望を持って飛び込んできたけどトラブルに巻き込まれる」ケースだろう。都会風のドライな人間関係に慣れすぎて地方のやり方に馴染めないパターンが一番多いが、他にも地元の根深い対立に無知故に巻き込まれてしまうパターンも考えられる。もともと地元の有力者などと縁があれば順調に生活を拡大することもできるだろうが、そのせいでいよいよ大きなトラブルに巻き込まれる、なんてこともありそうだ。これらの問題で四苦八苦した挙句にせっかく移住したにもかからず都会へ戻ってしまう話もよく聞くから、それらの実話をアレンジしてもいい。
一方で、地方青春ものや町おこしものにおけるアドバイザー役としての地方移住者はなかなか活躍してくれそうだ。彼らは都会の事情を知っているからいろいろ有益な助言をくれるはずだし、「都会の人間は地方をどう見るか」というサンプルにもなる。その刺激が地方の若者を変化させ、物語をドライブしてくれるだろう。

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【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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