笹本稜平さんが好きです。
冒険陰謀ものも傭兵ものも刑事ものも全部好きです。
あまりに好きオーラを出していたらインタビューの仕事をいただいたぐらいには好きです。
笹本さんの魅力は綿密な取材によるリアリティと登場人物の濃さです。
山岳小説初期の傑作に『還るべき場所』という作品があります。
一度登山で夢破れた主人公の復活を中心に、彼とともに山に情熱をかける経営者を丹念に描き、その背景として、商業公募登山を置くという非常に面白い作品でした。
この本で初めて「公募登山」というのを知りました。この記事で初めて見聞きしたという方もいるのではないでしょうか。
公募登山というのは、簡単に言うとヒマラヤなどの海外の有名な山に
数百万円のお金を払うと、至れり尽くせりのバックアップで登山成功をアシストしてくれるというものです。
「公募隊」の名称でWikipediaにも項目がありました。
笹本さんの小説はどれも主人公の魅力がわかりやすく。主人公とその関係するキャラクターで読みすすめていくと、難しそうなこともすっきりわかりやすく頭に入ってきます。
笹本さんの山岳小説ですと『未踏峰』『春を背負って』もおススメです。
キャラクターの個性を楽しみながら山のことも知ってみてください!
榎本秋
<購入はこちら>
『還るべき場所』 honto 紀伊國屋書店
『未踏峰』 honto 紀伊國屋書店
『春を背負って』 honto 紀伊國屋書店
榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。