舞台は中国の北宋末期。史実を下書きにした物語です。
汚職や堕落した官吏達による不正義の中で弾き飛ばされた者たちが好漢として梁山泊に集結、108星として国を良くするために戦っていきます。
明らかに腐敗している国家権力に立ち向かっていく好漢たちの活躍が楽しいです。
108人も登場人物がいるのですが、それぞれにきちんと特技とバックボーンがあります。
これらの人物造形を学ぶだけでもとても役に立つでしょう。
腐敗した国家というのは物語の舞台としても勉強になりますし。
なお、北方謙三さんがこの水滸伝から大いに着想を得てオジリナルで再構成した
・水滸伝
・楊令伝
・岳飛伝
の三部作も非常に面白いです。
巻数は長いものの、好漢側だけでなく朝廷側・外国側にも人物を配置し、
中国を中心にアジアにまで広げたスケールの大きい話になっています。
まずは、水滸伝から読んでみてください。
かっこいいと思える・共感が持てるキャラクターを見つけられるとさらに良いと思います。
榎本秋
榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。