第40回「教師は楽なお仕事か?」

榎本海月の連載

教師と免許

教えられる側だけでは学校は成立しない。運営側の人間が必要だ。
まず、「教える人」として教諭(教師・講師)がいなければ話にならない。いわゆる「学校の先生」だ。彼らは学問を教えるのが仕事であるわけだが、一般的な(小学校から高校までの)学校の先生には生徒に社会的常識や社会人として生きるための習慣を教えること、生徒のメンタルや家庭事情とも向き合うことがしばしば求められる。
一般的な学校における教師は資格がいる専門職だ。教員免許は主に大学で取得する。特に中学・高校の免許は多くの大学で取得することができ、「とりあえずとっておくか」で教職課程を履修した人も少なからずいるはず。
逆にいえば、教員免許を持たないものは(私立であっても)教師になることはできない。物語の中ではしばしば免許がない「モグリの」教師が登場するが、あれが成立するには学校側の強力なサポートか、実在する教師になり変わるなどの工夫が必要だ。一方、授業のみを行う講師や、短期的な講演を行うだけなら免許は不要である。

教師は大変だ

公立校の教師は当然公務員であって生活は安定しており、社会の中で権威があって尊敬される人(やはり「先生」と呼ばれる人は見られる目が違う!)だ。実際、教師は伝統的に知識階層であり、市井の学問・研究の一翼を担ってきたという事実もある。
また、夏休み・冬休み・春休みと学校が長期間授業を行わない時間も長いため、「教師も休みが多いのだろう、いい仕事だなあ」などと見られることも多い。では実際にどうかというと、長期休みの間も教師は別に休みではなく、学校に出て各種作業がある。また、中学や高校なら部活顧問が実質的なボランティア業務であること、近年になって各種書類作業が非常に増えたこと、生徒が抱える問題が多角的かつ複雑になったこと、また教師の権威が低下して生徒が言うことを聞かなくなったことなど、「楽な仕事ではない」ことが盛んに言われるようになっている。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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