♠38回「山で迷ってしまったら……」

榎本海月の物語に活かせるトラブル&対応事典

まずは落ち着け!

山で迷う。これはなかなかのピンチだ。
現代、観光地化している山の多くは林道・山道がしっかり整備されていて、そう簡単には迷わないようになっている。それでも雨や霧のような気象条件次第では、あるいは道の整備具合次第では、簡単に道を見失い、迷うのが山というものだ。「こちらのほうが道に違いない」と進んでみたらそれは実は獣道の類いで、本当の道は切り返して反対側に進んでいた……というのは実に「あるある」の話なのである。また、山というのは意外と凹凸があるもので、上がっていると思ったら下がっていた、下がっていたと思ったら上がっていた、ともなりかねない。
では、迷ったらどうすればいいのか。第一に奨励されるのはパニックにならないこと、一旦その場で落ち着くことである。それから改めて周囲を観察する。道や手がかりがないかどうか見直すのだ。
これは山以外も含めたあらゆる遭難・道に迷った案件に通用するのだが、パニックになっていいことは何一つ無い。迷ったと思っても実は道や施設がその近くにあるのに、混乱してしまったから見えてない・認識できていないということはままある。
にもかかわらず混乱した状態で移動すると今度は本当に遭難してしまう……となりかねない。また、パニック状態で突き進むと体力も普段以上に消耗し、そこからのリカバリーが難しくなる。迷ったと思ったら(可能なら)一度その場に座り込んで休憩し、冷静さを取り戻したいところだ。

遭難したら位置を確認

本当に遭難していたとわかったなら、現在位置を確認しなければならない。ここで地図とコンパスがあり、かつ定期的に位置の確認を行っていたら、「あ、これはさっきのあそこで道を間違えたな」「上がっているつもりで降りていたな」などある程度の目星をつけることができる可能性がある。ここから正しいルートに合流できるなら良し、そうでなければもう戻るしか無い。
無理に「このまま進んだらなんとかなるかも……」と考えるのはさらなる遭難への近道になってしまう。そもそも、単に戻るだけでも、正規の山道でないルートを通るということなのだから、危険がいくらでも想定できる。
加えて「自分がどっちから来たのかよくわからない場所」もいろいろあるはず(分岐路や足跡の残らない道など)だから、結局ただし道に戻れない、という可能性も十分想定しなければならない。
こうして元のルートに戻れれば問題がないが、どうにもならなければさらに次の手を打つ必要がある。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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