♠37回「アイドルという偶像を求めて」

榎本海月の物語に活かせるトラブル&対応事典

アイドルとは?

既に紹介した通り、一口に有名になりたい、と言ってもその道筋はさまざまだ。中でも多くの人が憧れ、恋をするのが「アイドル」であろう。
アイドルは何をする存在なのか、というのは定義が難しい。歌う、踊る、俳優をする、バラエティ番組に出る……加えるならば、重要なアピールポイントとして「若くて見た目がいい(あるいはそれを超えた存在感や人間力がある)」を持つのがアイドル、であろうか。
多くの場合、アイドルが芸能活動に用いる各種のスキルは事務所に見いだされた後の訓練によって身につけるものだ。そこが、まずスキル・人気・センスありきで事務所に見いだされることが多いミュージシャンとの大きな違いだろう。

アイドルになりたい!

具体的にアイドル(の卵)はいかにして見いだされるのか。
何らかのオーディションに参加して結果を残す、というのが最も王道であろう(ジャニーズ事務所のように定常的に募集しているところもここに含む)。事務所がアイドルとして売り出すべき人材を探していることもあるし、何らかの企画(AKBのような恒常的に活動するグループであったり、あるいは何かの販促などのイベントのためのアイドルであったり)のためにオーディションを開催することもあるだろう。
これらは大きな金が動く「本気」の企画であることが多いため、集まるアイドル志望者も多いので困難な関門だが、通れば成功は少なからず約束されたと言っていいだろう。ただ、すでに存在するグループの場合はまず研究生とか練習生とかそういう一段下の立場から始まることになるため、そこから正規採用というところへ至れるかはまた難しい話になるだろう。
もう一つの王道はスカウトで、渋谷原宿のような若者が多く歩いている場所にはしばしば芸能事務所のスカウトマンやマネージャーがいて、「アイドルにならないか?」と話しかけてくる。この中には「本物」もいるだろうが、アイドルというある種のエサで釣って実は別の仕事……という可能性は高い。相手がどのくらい力があって、どのくらいその気なのかを確かめられないのであれば、危険な賭けになるだろう。
近年では学校(スクール)も多く見られるようになった。タレントを目指す学校に通い、そこで実力を高め、オーディションを受けたりスカウトを待ったりするわけだ。
また、インディーズ的立場のアイドルもすっかり定着した感がある。しばしば「地下アイドル」などと呼ばれたりもするようだ。小規模な会場などで活動し、ファンと人気の獲得を目指すわけだが、これもなかなか難しい話である。今ならYouTuberとアイドルの中間のような存在の方が目指しやすいかもしれない。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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