第24回「二月は受験本番、試験本番」

榎本海月の連載

受験がクライマックス

二月になると冬もそろそろ終わりに近づいてくるが、では冷たさが緩んできたかと言うとそうでもなく、まだまだ雪も古し風も冷たいのがこの季節だ。ただ、熱心な学生たちにとっては寒さに震えているどころではない、という時期でもある。
なにしろ、受験はいよいよクライマックスだ! 重要な試験の多くはこの時期に集中している。一月には共通テストがあるし、三月にも後期試験などが待っているケースはあるが、二月こそが受験生の修羅場と言っていいだろう。予備校に通い詰めてどうにか最後のヒントを得ようとしている受験生もいれば、家に閉じこもってひたすらに過去問を解いている受験生もいるはずだ。この一ヶ月の奮闘で人生が決まると思えば手を抜く余裕はない――というのもわかるが、一方で頑張りすぎてしまう人も多い。
結果としてどういうことになるかといえば、合格あるいは不合格という結果を得たあと「燃え尽き症候群」に陥る人が少なくないのである。もちろん多くの人は四月からの輝かしく新しい生活に思いを馳せたり、あるいは二月・三月の間に立ち直るわけだけれど、燃え尽きたまま、あるいは自覚していないけれど実は燃え尽きていて四月からずっと気分が憂鬱なまま、なんてこともよくある。この辺、青春もののテーマとして面白いと思うのだがどうか。

学生生活の総決算

受験しない生徒にとっても、多くの場合二月は「一年間の総決算」の時期である。続く三月はだいたい卒業式だけの時期である事が多いので、二月こそが本番になる。
年度最終の試験があったり、進級・卒業制作の発表会があったりするわけだ。ここで一年間(あるいは在学中ずっと)鍛えてきた能力、磨いてきたスキルがどんなものかを仲間に、学校に、そして社会に見せつけられるかどうかで、今後の人生が大きく変わるのである。そういう意味では受験と同じくらいに大事になってくる、という学校や生徒も少なくないはずなのだ。
何かしら特殊な学校を舞台にしているなら、この時期にこそ大きなイベントを持ってくるべきだ。たとえば、魔法や特殊能力を養う学校において、一年鍛えてきた生徒たちが自分の力を試すトーナメントや最終決戦はこの季節にあるものだろう。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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