ライトノベルは長編オンリーの時代から連作短編の時代へ

榎本秋のクリエイト忘備録

かつて、ライトノベル作家としてデビューするには長編を書けることが必須でした。
たまに連作短編でデビューする方がいるぐらいです。

なので、15年前に初めてライトノベルの創作指導をした時は「とにかく長編を書きましょう!」と話していました。
短編の賞もありましたが、デビューするには長編を書けないといけない時代でした。

当時から雑誌はありましたので、同じ世界観・主人公のいわゆる連作短編は雑誌発も含めていくつかはありましたが、文庫で発売されることを考えると長編が主流でした。圧倒的主流と言い換えてもいいかもしれません。

その空気が変わったのがここ10年くらいでしょうか。
小説の読書の仕方が変わったのも関係しているかもしれません。
ライト文芸・キャラ文芸といわれる分野では、3話か4話の連作短編形式が増えてきました。
連作短編のほうが1話あたりの分量が少ないので読みやすいということもあるのかもしれません。

ということで、長編の構想が思いつかないという方はキャラクターに重点を置きそのキャラクターの成長、人間関係の変化などに着目して短編を積み上げていってみてください。
そういうのもアリな時代になったのです。
長編を作るのがどうしても難しいと思った際は短編から考えてみましょう。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

タイトルとURLをコピーしました