ライトノベルの編集者になるにはどうしたらいい?

榎本秋のクリエイト忘備録

小説、ライトノベル系の専門学校で進路相談に乗っていると、せっかくこの業界の勉強をしているのだから編集者になりたいとよく聞きます。
私は小説家を目指すなら編集者はおススメしないとお話しています。

なぜかと言うと、同じ発想力・創作力を駆使するので
「小説を書くこと」と「小説を編集すること」を両立することは困難だからです。
編集者は制作進行をすると同時に、担当作品をより良くする仕事でもあります。
より良くするためには自分でもアイデアを出さなくてはなりません。その発想や創作力は自分の小説を書く際にも必要になります。
となると、編集で使っている場合ではありませんよね。
ちなみに、同じ理由で校正やシナリオライターなどの仕事と小説家志望を両立することもオススめしていません。
お金を稼ぎながら小説家を目指すなら、全然違うこと(疲労する部分が違うこと)をした方が結果的に良いからです。
また、できれば定時の仕事が良いです。残業続きで執筆する時間がないと大変ですから。

さて、話は戻りまして。業界のことを勉強した結果、編集者になりたいと決めたとします。
編集者になる一番の道は出版社に新卒で入り、編集部に配属されることです。
しかし、この道は確実なことはなにもありません。
どこの部署に配属されるか、配属された後も編集職に留まれるかはわからないからです。
中途なら編集専門の会社や編集職限定の採用などもありますが、そのためには業界における実績や信用が必要となります。
また、大手出版社は大卒であることが条件の場合も多いです。

業界での実績や信用を積むには、未経験OKの出版社の編集アシスタント募集や
編集プロダクション、作家事務所などのスタッフ募集に応募するのです。
社員待遇ではない場合が多いですが、ここで頑張って信用やヒット作品を作れると大手出版社への転職(正社員)や
フリーの編集者として仕事をしていくなどの道が見えていきます。

正社員になるとどうしても異動の可能性がありますので、編集者一本でやっていきたいのなら、フリーや編集プロダクション、作家事務所の社員として働くという手もあります。

編集者になるのは非常に難しいですが、ライトノベルは若い感性が必要ということで未経験者を募集していることもあります。
興味がある方はチャレンジしてみてください。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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