ライトノベルが誕生して30年が経ちました。
私も少し関わらせていただいたライトノベル発見ブームからも15年ほど。
その間にライトノベルと命名されたこのパッケージはグングン進化を遂げました。
個人的には、ライトノベルという枠を自ら破って広範に拡散していったかなと思っています。
15年前の発見ブームのときも定義が難しく、かろうじて文庫(ノベルスもありましたが)だったのが
なろう系の大ブームで46並製の本が増え、文庫のライトノベルにもなろう系の影響が大きくなり。
というところで、ライトノベルはどこにいったんだろうとか日々考えています。
個人的には、ライトノベルというのはジャンルではなくパッケージで、ライトノベル的なエッセンスが拡散していったのではと思っております。
ライトノベルのエッセンスというのは
・読者にとって楽しい
・手軽に読める
・ワクワクする
・キャラクターが魅力的
などが大きいのかなぁと。
なので、今「ライトノベルって何?」と聞かれるとすごく困ります…。
ただ、ライトノベルから分かれてまだ名称が定まってないライト文芸(キャラ文芸?)も、結局は電撃文庫が牽引している気がします。
まずは電撃に注目するのがいいのかなとか思いつつ、結局はもう「ライトノベル」とか「ライト文芸」とか「キャラミス」とか「キャラクター文芸」とか、そういう名前付けは関係なくて。ある時期私達がライトノベルの魅力と思ったものがその時によって名前が変わっているのかなとか。
そんな感じで、30年ライトノベルに触れてきてもよく分かっていないので、あまり深く考えなくてもいいんじゃないかなぁとも思っています。
このあたりは、今、自分なりにも答えを考えているところです。
榎本秋
榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。