夏が始まる
七月はいよいよ初夏、夏の始まりだ。学校行事としては、まずはプール開き、それから期末テストだろうか。あるいは、各種部活の夏の大会の予選ももう始まっているはずだ。夏休みを前にして、一学期の総決算をやるべき季節である。
気候的な話をするなら、梅雨があけるとカラッと暑くなるのが近年の日本の気候である。ヒートアイランド現象や毎年のような異常気象もあって、子どもが熱中症で倒れたというニュースもよく聞くようになった。結果、かつては小学校の教室だと殆ど見られなかったエアコンもよく見る。暑い暑いと愚痴りながら登下校の道をたどり、校庭でスポーツに興じるのも、思春期の一幕ではあろうけども。
夏休みと学校
そうして七月の終わり頃、一ヶ月前後の長期休暇が皆に訪れる。夏休みだ。この期間、基本的に授業はないが、学生たちが学校へ登校して来ないわけでもない。一回か二回は登校日があって、「なんか面白いことあった?」的な会話がされることもあろう。
特に、体育会系の部活に所属している生徒たちの中には、「結局毎日学校に来てたよ」なんて人もいるかも知れない。一昔前と違ってスポーツ校でも「授業に一切でないで練習!」などということはないため、強豪チームは授業に煩わされない長期休暇にこそ猛練習を積んで、夏の大会で優勝を目指すわけだ。
そんな本気の部活でなくとも、学校やその他の施設に泊まり込みで活動を行うケースは珍しくない。夜の学校で教室に布団をしいて益体もない話をしたり、普段とは違う廊下に幽霊の影を見出してしまったり……そんな青春の一幕が描ける。
ちなみに、夏休み中学校の先生は何もすることがなくて暇だ、と考えている人はいないだろうか。これは先生の立場にもよる。正式な教諭であれば、授業のある時期ほどではないにせよ登校し、各種事務作業や報告書の作成をする必要があるし、部活の顧問をやっている場合はその監督もしなければならない。
ただ、あくまで授業を担当するだけの講師の場合、授業がない時期は本当に仕事がない、というケースも多いだろう。この場合、生活費を稼ぐために講師の先生が別の仕事をしていて、生徒とばったり、なんてこともあるかもしれない。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。