♠15回「避難所での生活は?」

榎本海月の物語に活かせるトラブル&対応事典

食料と暑さ寒さと……

家屋が破壊された、完全にライフラインを失ったなどということになれば、避難せざるを得なくなる。各自治体ごとの体育館のような避難所が設定されているので、いざとなればそこへ逃げ込むことになるだろう。
避難所生活の苦しいところの第一は、食料が十分に配給されるとは限らないことだ。自治体やボランティアによって温かい食べ物が食べられることもあれば、長い間おにぎりやパンなどしか与えられないこともある。そのような状況に合わせて、ある程度の保存食は持っておきたい。
暑さ寒さの問題も大きい。何しろ普段はただの体育館だから空調の用意が乏しい。そうでなくとも何十人何百人が生活することを想定した建物ではないから、どうしても問題が生まれる。特に寒すぎるは体調を崩せば命にも関わる。そこで、自宅から服を持ってきて厚着をし、毛布や布団も用意する必要がある。近年では毛布の配布や、あるいはダンボールハウスのような生活空間が用意されていたりということもあるようだが、なかなか快適な生活というわけにはいかないのが実際であるようだ。
そもそも突然の集団生活が厳しい。音や匂いで不快を感じることもあるだろうし、ちょっとしたことでのトラブルも起きる。盗み脅しだと騒ぎが起きる可能性だってある。根本的には人の目がある生活そのものが疲労を招くものなのだ。……だが、もしかしたらそのようなトラブルさえ起きないかもしれない。皆疲れ切り、ショックを受けてどうにもならない避難所もあるだろう。

避難所の外で暮らす

そのような集団生活を嫌い、しかし家で暮らすこともできないとなると、どうなるか。親戚なを頼って被災地を離れられる人は現代社会ならかなり幸福な部類であろう。元からアウトドア趣味があれば、庭にテントを張る人もいる。これを公園などでやれば警察に取り締まりを受けることになるので注意。
多くの都会人にとってもっと手軽な手法は、車の中で生活することだ。雨風は防げるし、他人の目もない。何より、自分の所有する空間で暮らせるということが心理的抵抗を少なくしてくれるわけだ。短期間で済むならそれで良いという人は多いだろう。
ただ、車中泊は危険と隣り合わせでもある。長期間車のような狭い空間の中で暮らすと、エコノミークラス症候群(身体を動かさないせいで血栓が詰まる)を発症し、最悪の場合死を招くことになりかねないからだ。
エコノミークラス症候群を防ぐためにも、あるいは健康の維持のためにも、避難生活には適度な運動が必要だと言っていいだろう。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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