2020年5月 最終版 ライトノベル新人賞に落選した原稿を他の賞に使いまわしてよいか

榎本秋のクリエイト忘備録

この連載でも何度か触れてきた、新人賞に応募した原稿を他の賞に応募してよいかについて、SNSや業界の方の意見も広く聞いてきました。

「使い回してok。自分はそれでデビューした」という意見を作家さんからお聞きます。
「使い回しはしないでほしい、同じ原稿を何度も読むことになる」という意見は下読みをされているフリーの方から。
「プロになったら作品を更に作っていかないといけないので、落選した原稿はデビューした際に担当編集さんに読んでもらえばいい」という私と近い意見は、私と近い立場(編集者さんや作家事務所経営者)の方から出ました。

で、実際は正解があるわけではありません。
私としては、いろいろな人達の意見を聞いた上でやはり

「プロになったら作品を更に作っていかないといけないので、落選した原稿はデビューした際に担当編集さんに読んでもらえばいい」
だと改めて思いました。

ちなみに、落選した原稿がベストセラーになったことも当然あります。
それでも私が固執しない方が良いと思う理由は

・一次選考で落選しているならそもそも実力不足なので、実力が上がった時に書き直すほうが良い
・一次選考通過以上で落選している場合は、時代性・作家性・出版社との相性があるので、時期をうかがったほうが良い

と思うからです。
作品には最適な発表の時期、直し方、自分にとって良く書ける時期などがあると思います。
デビューしたら長い生活になります。今のうちにストックをしておくことはやはり大事なのではと思いました。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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