♠13回「地震から身を守れ!」

榎本海月の物語に活かせるトラブル&対応事典

揺れたら最初にやることは

日本は災害列島などという言い方をされる。台風、津波、火山噴火など、各種災害が度々襲い、しばしば大きな被害をもたらすからだ。その中でも特に被害と頻度から私たちの印象に残っているのは地震ではないか。ここ数十年に限っても、95年の阪神大震災があり、また11年の東日本大震災があって、本連載の読者にも少なからずその時の思い出や被害のある人は多いのではないか。これらの大震災は時に人間の人生や社会のあり方さえ変えてしまうことがある。それは物語の題材として非常に魅力的だということでもあるのだ。
地震に遭ったらまず第一に考えるべきは身の安全だ。家の中なら机の下や椅子の下、押入れなどに隠れる。外なら可能な限り開けた場所へ。最初の段階で一番怖いのは頭上からの落下物あるいは立っている家具が倒れかかってくることだからだ。タンスや本棚、冷蔵庫などの下敷きになってしまうと、自力での脱出は簡単ではない。
室内という視点だと怖いのはエレベーターだ。揺れると止まってしまうことが多いので、すぐにボタンを押して近くの階で止め、脱出したい。それでも閉じ込められてしまったら、緊急呼び出しボタンで救助を要請し、後は待つしかない。
ビル街などにいると割れた窓ガラスが頭上から降ってくることもあり、鋭利なかけらに当たってしまうと命が危うくなる。工事現場と道路を隔てる壁にはしばしば待避用の空間が用意されているが、揺れる中で逃げ込めるか、そもそも壁自体が倒れないかという恐ろしさもある。パニックになると外へ飛び出してしまう人がしばしばいるが、これらの危険を考えると避けたほうがいい……が、地震の大きさや建物の強度次第では倒壊を恐れなければいけないケースもある。
外での危険はまだまだある。運転中に揺れを感じたらすぐに左へ寄せ、車を止める。揺れが収まった後は再度運転できるケースもあるが、規制区域が敷かれた運転できなくなる。その場合は車を置いて、歩いて移動することになる。
また、地震は山崩れや崖崩れ、津波、大火事などの二次災害を誘発することがある。これらの被害を避けることも考えなければいけない。

揺れのその後に

地震の長さ、強さ、またその後余震が来るかどうかは地震によってまちまちだ。小さな地震ならそもそもなにも感じなかったりするし、本当に強い地震だと立っていることさえできなかったりする。もし可能なら、近隣の防災センターなどで擬似地震の体験をしてみるといい。描写の参考になるだろう。
地震がおさまったらようやく活動開始だ。早めに部屋や家のドアを開けて地震により歪んであかなくなるのを防止し、火がついていたら消して火事を防止する。以前はこれらの作業は揺れたらすぐに……という話だったが、むしろ危険ということか、最近では揺れが収まってからの行動が推奨されるようになったようだ。余震と余震の合間で少しずつでもやれたら理性的な行動と言えるだろう。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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