プロットを作る訓練を積み、きちんとまとめることができるようになったけど、面白くならない。
半年ぐらい定期的にプロットをきちんと作っていると直面する悩みです。
といいますか、この悩みにぶつかるまでプロットを作ることが大事です。
相手にきちんと伝わり、要素も充実し、物語がしっかり終わっているプロットを作る。これが第一段階です。
ここまでできたら次は作家性、自分らしさを探すことになります。
この第一段階は、簡単に言うときれいな丸みを帯びたボールです。転がしたらどこまでも転がっていきます。
このボールにゴツゴツとした棘をつけるのが作家性です。
きれいに転がると記憶に残りませんが、なにか傷跡が残ると記憶に残りますよね。
では、どうしたら作家性がつくのでしょうか。
これにはいろいろな方法がありますが、今回は丸いきれいなボールのプロットが作れた場合のアレンジ方法をお話します。
その一旦完成したプロットの中の重要な要素を1つヒックリ返すのです。
例えば
・味方を敵に変える
・ラストボスだと思ったのが実は味方だった
・主人公の一番の能力が実は弱点だった
のように、決めてある重要な要素をひとつ反対にしてみてください。
そのうえで、物語の辻褄を合わせてみると意外な化学反応ができるかもしれません。
どれかひとつを決めれらないときは主要な要素をカードに書き込んで
1枚引き、引いた要素を強引に反対にしてみるのも面白いと思います。
ちょっと強引なやり方ですが、作家性探しに利用してみてください。
榎本秋
榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。