♠7回「武器が必要になったなら……(4)」

榎本海月の物語に活かせるトラブル&対応事典

間合いで勝つ!

敵と有利に戦うことを考えたら、間合いの長い武器は非常に便利だ。しかし、古典的な槍やハルバードのような武器は、現代においては日本刀以上に調達が難しい。それならいっそ、物干し竿のような長い棒の先端に包丁をくくりつけた方がいいだろう。
銃の活用がいかに難しいかと言う話はしたが、間合いのこと考えれば飛び道具が使いたい局面は必ずある。銃が普及前の飛び道具といえば弓だが、これは入手も使いこなすのも簡単ではない。弓道やアーチェリーの熟達者が自前の弓を持っていても、殺傷力のある鏃持っているとは限らないわけだ。その視点で言うと現実的なのはいわゆるクロスボウ(ボウガン)、機械弓の類だろう。装填に手間がかかるが弓よりもはるかにたやすく十分な威力を出すことができる。趣味や競技用のものが存在するが、危険なものであることは間違いないので、携帯しているところ荷物検査などされるとまずいだろう。

武器は本当に色々……

あとは、護身用具の類もその気になれば十分な武器になる。伸縮式の警棒、スタンガン、唐辛子などを使用した催涙スプレーなどだ。怪物相手に効くかどうかはわからないが、人間を無力化するには十分である。ただ、これらは危険な道具でもあるので、警棒を携帯していれば軽犯罪法に問われるし、正当防衛以外でスタンガンや催涙スプレーを使えば傷害罪にも問われる。
ここまで紹介してきたのはきちんと作られた武器あるいは道具であったが、単に「殴る」や「投げる」ことを考えたら、必ずしもそのような道具類に限る必要はない。町や部屋に転がるさまざまなものが武器になり得るのだ。
石や岩はどうか。掴みにくいから動く相手を殴るのは無理かもしれないが、倒れている相手にとどめを刺したり、ガラスを割ったりするのには十分だ。石投げはもっと単純かつ有効な攻撃手段で、戦国時代くらいまでは戦場でも多用された。布で輪を作り、先端に挟んで投げると、遠心力のおかげで威力も飛距離も格段に伸びる。
怪力の持ち主なら、もっと大きなもの、重いものを持ち上げて武器にすることができる。道路標識を引っこ抜いて槍や大剣のようにしたり、マンホールをフリスビーのように投げたり、柵で相手を地面に射止めたり、と言った具合だ。
もっと奇妙なものを武器にするキャラクターがいてもいい。ある高名な武術家の伝説的エピソードの中には、自転車を横に構え、これを円盤のように回転させながら投げつけた……という話がある。イマジネーションの赴くまま、あなたのキャラクターに独自の戦い方をさせるのも面白いだろう。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

タイトルとURLをコピーしました