有名な楽曲の歌詞を研究してみよう

榎本秋のクリエイト忘備録

時代を彩った楽曲の歌詞を自分なりに丁寧に読み解いてみると、そこにはとても芳醇な世界が広がっていることに気がつくでしょう。
韻の踏み方がうまかったり、言葉の重ね方がうまかったり、相性の悪い言葉をうまく組み合わせていたり,
よく読んでみるとじつは怖いストーリだったりと。
その中でいいなと思った作詞家やアーティストに出会ったら、その人の歌詞をさらに10曲ほど研究してみましょう。
歌詞は短い分量にエッセンスが濃縮されています。それを自分なりに紐解くことで、感じ方や表現法の勉強になります。
気に入った歌詞をもとに、短い小説を書いてみるのも勉強になるでしょう(当然、そこで作った作品を世に出したい場合はきちんと権利処理をする必要はありますが)。

小説家志望を始めたばかりでプロットや長い文章が書けないという時の初歩段階の練習として、芥川龍之介の「トロッコ」を模写して、文法的に分析することを最も勧めています。
その次のステップとして、歌詞を研究すること、歌詞をもとに短い小説を書くことがおすすめです。

長編が書けるようになってからも色々なジャンルの歌詞に触れることは、あなたの作品世界・文章表現のどちらにもとても有用だと思います。
新人賞に応募するようになってある程度自分では実力がついてきたと思ってもそれ以上先の選考に進めない時。
そんな時はプロットをもとに歌詞を作り、それを口ずさみながら作品を書いてみるのもひとつの手かもしれません。

最後に、歌詞を研究していてわからない言葉あったらぜひ辞書を引いてください。
その言葉の意味をよく理解するとともに、類義語を覚えていきましょう。そうすると語彙力がどんどん増していきます。

榎本秋

榎本 秋(えのもと あき)
活字中毒の歴史好き。歴史小説とファンタジーとSFとライトノベルにどっぷりつかった青春時代を過ごし、書店員、出版社編集者を経て2007年に榎本事務所を設立。ライトノベル、時代小説、キャラ文芸のレーベル創刊に複数関わるとともに、エンタメジャンル全体や児童文学も含めて多数の新人賞の下読みや賞の運営に関わる。それらの経験をもとに、小説、ライトノベル、物語発想についてのノウハウ本を多数出版する。

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