第4回「校舎と校門」

榎本海月の連載

校門に秘められた歴史あり?

学校にたどり着くとどうだろうか。十分な敷地を備えた公的な学校の多くは、金属製の立派な門扉を持っている。スライドして閉められるような形になっているものだ。
その前には遅刻を取り締まる教諭たち、あるいは服装や髪の乱れを監視する風紀委員などが待ち構えていて、違反者や誤魔化そうとするものを鋭く見張っている。そして、時間がくると教諭の手によって校門が閉められる、というのも昔は定番だった。
「昔は」としたのは、ある事件によってこの習慣は少なからず変わったからだ。一九九〇年、ある学校で勢いよく閉められた校門に挟まれた生徒が死ぬ、という事件が起きたのである。この非常に痛ましい事件の結果、校門の危険性が注目され、少なくない学校で指導法が変わったという。
現代日本で人が死ぬような校門は許されないが、ファンタジックだったりSF的だったりする学校では、何らかの試練を与えてくる校門というのはあってもいいかもしれない。それはもちろん、学校での教育の一環である。門番が邪魔をしてきたり、校門に障害物があったりして、それを乗り越える必要があるわけだ。

校舎の雰囲気は多種多様!

校門の向こうに待っているのは校舎だ。それはどんな形、雰囲気をしているだろう。
一般的なコンクリート造りの建物だろうか。今では地方の「元学校」などでしか見ないような、古めかしい木造だろうか。煉瓦造りや、蔦が周囲を這っているような特殊な校舎かもしれない。もっと新しい現代的な校舎なら、メタリックな外観をしていたり、ガラス張りでオープンな雰囲気をのものもあるだろう。
元の建物になにかプラスして特殊な状況が発生している校舎もあり得る。隅々までピカピカの校舎もあれば、どこか薄汚れている校舎もある。あちこちのガラスが割られ、壁にスプレーなどでのイタズラ書きがされている校舎は、よほど荒れた学校であろうと想像ができるわけだ。
現実にはあまりないが、校舎そのものに特別な装飾やデザインがされていたり、変わった色で塗られている、などというのもあってもいいかもしれない。創立者の顔がどんと刻み込まれていたり、現代アート的なデザインだったりするわけだ。
また、なにか特別な建物や巨大な乗り物を利用した校舎というのも面白そうだ。もとが船や鉄道だったり、城や神殿だったりすると、非常に独特な雰囲気がある。いかにも特別な歴史や隠された秘密がありそうである。
また、メインの校舎は普通だけれど、今は使われていな古い校舎、特別な校舎があるというのもいかにもありそうなパターンだ。木造の旧校舎には悲しい伝説や秘められた謎があったりするわけだ……。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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