第3回「通学路と周辺地域に何がある?」

榎本海月の連載

通学路でイベントが起きる

ここからはある生徒の1日を想定して、学校にまつわる各種施設を紹介していきたい。
多くの学生は学校の敷地の外に住んでいて、毎日通ってくる。公立の小学校なら徒歩圏内にあることが多いだろう。中学校だと自転車やバス圏内になることも珍しくない。高校や大学だと電車で通うものが多いはずだ。
この経路は毎日往復を繰り返すものなので、当たり前に成りすぎて特別な事件が起きる可能性は小さいかもしれない。しかし、本当にそうだろうか。
行き帰りの経路は、日常において学校外の人と出会う数少ないチャンスだ。曲がり角から突然現れる転校生(どちらかがパンを口にくわえていたらパーフェクト!)、同じ電車やバスに毎日居合わせる社会人や別の学校の生徒、通学路を見守る「緑のおばさん」や近隣の住民たち。彼や彼女との出会いからドラマが始まることもあるだろう。
また、行きはなかなか寄り道をする機会もないだろうが、帰りならどこかに寄ったり、ちょっと一本道を外れたり、なんてこともあるはずだ。みんなで買い食いをする駄菓子屋やファミレスやコンビニ、ふと迷い込んでしまった商店街の小道。それが忘れられない思い出になったり、思いもよらぬ大事件のきっかけになることもきっとあることだろう。

周辺には何がある?

さて、学校が近づいてくる。この周辺はどんな地域で、また学校はどのくらいの敷地を持っているだろうか。
この二点にはしばしば密接な関係があって、一般的な住宅地の中の学校が幾つもの校舎や広い校庭・グラウンドを持つケースが多いのに対し、駅の近くや繁華街の中などにある学校はコンパクトにならざるを得ない。大学や専門学校などの中には、いわゆる校舎を持たず、一つあるいは複数のビルの中に教室を持つケースも多い。
また、大学には都市郊外に非常に大きなキャンパスを持つケースがしばしば見られる。周辺には大学生のための安価なアパート・マンションが立ち並び、そこに住む学生たちをターゲットにした店……定食屋、書店、スーパー、ゲームセンター、雀荘、居酒屋……などが商店街を作ることだろう。
学校の性質によっては、人口が非常に少ない場所にひっそりと立っていることもある。競技スポーツの選手を育成する学校はしばしば広大な敷地を必要とするし、工業系の学校も騒音で敬遠されることがあるかもしれない。
あるいは、ファンタジックな学校なら「特別な場所でしか魔法が使えないから普通の場所には建てられない」「事故が起きる可能性が高いから人家の近くはダメ」などのケースもあるだろう。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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