Q.見直しのコツを教えてください!

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A:完成後の見直しはちょっと時間を開けて

小説は「書いたら終わり」ではありません。いや、気持は良くわかります。長い間苦労していて、ようやく書き終わったのに、そこからもうひと手間なんてかけたくないですよね。もしあなたがあくまで自己満足のために小説を書いているなら(それは決して悪いことではありません!)、ここで終わらせてしまっても構いません。
でも、もしあなたが「良い作品を作り上げてほめられたい」、なかんずくは「プロになりたい」と思っているのであれば、書いて終わりにしてはいけないのです。きっちり見直し、手直ししなければ、その作品は完成したとは言えません――少なくとも、プロ作家にとっては、「そう」なのです。
では、具体的にはどんなコツがあるでしょうか。
第一のコツは「こまかい見直しは毎回、大きい見直しはちょっと時間を置いてから」です。見直しは最後にやるだけでなく、執筆中にも細かくやることをおすすめします。全部ではなく、「昨日書いた分だけ」などでいいのです。こうすると細かいミスが見つかりやすいだけでなく、文章の癖などを統一する助けにもなります。
一方、完成後の大きな見直しをなぜ時間を開けなければならないのでしょうか。これは、書き終えた後は冷静ではないから、というのが主な理由です。一日から一週間程度時間を置くことで肉体的にも精神的にも回復し、客観的に見直すことができます。

A:印刷して、音読して

さて、しっかり見直す際に、皆さんはどんな形でやっていますか? パソコンやスマホなど、執筆したデバイスでそのまま見直す人が多いのではないでしょうか。
たしかに便利なのですが、おすすめできません。なるべく印刷し、紙にペンで書き込む形で見直すことをおすすめします。最近は「パソコンは持っているけどプリンターはない」などという人も珍しくないのでその場合は仕方がないのですが、印刷できる場合は印刷して紙で見ましょう。紙と画面では見え方が驚くほど違いますし、どこを直したのかわかりやすいのがいいところです。
また、文章が気になる場合は音読することもおすすめです。なるべく長編全部を音読していただき、それが無理ならせめて気になるところは声に出すことで違和感が更にはっきりします。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。ネット小説創作入門』などがある。
2019年に新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』『ストーリー創作のためのアイデア・コンセプトアイデアの考え方』(秀和システム)を刊行。
2020年の新刊には『古代中国と中華風の創作事典』(秀和システム)がある。
PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。愛知県名古屋市の【専門学校日本マンガ芸術学院小説クリエイトコース(https://www.ndanma.ac.jp/nma/course/novel/)】講師として長年創作指導の現場に関わっている。

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