Q.語彙力をつけたい!

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A:たくさん本を読みましょう

創作する際に必要な能力の中でも、語彙力は前回紹介した文章力と深い関係があるものです。平たく言えば「たくさんの言葉を知っているかどうか」ということですが、ただ知っているだけではなく、どの言葉をどんな状況で使うのかまで知っているのでなければ、語彙力があるとはとても言えません。
この場合、辞書を頭から読んであなたの望むような効果を引き出すのはかなり難しいです。「どんな意味か」はわかっても、「どんな時に使うのか」まではわからないからです。つまり、「死んだ言葉」になってしまいがちなのですね。創作に有効な語彙力というものは、「生きた言葉」でなければなりません。
生きた言葉は、実際の会話や小説の中にこそあります。そこで第一には「小説をたくさん読む」ということになります。たくさん読むことで、自然と言葉があなたの中に入ってきて、語彙が増えます。「あそこでこんな言葉を使っていたな」「たしかこんな意味だったな」という感覚が、一番自然に語彙力を身につける方法なのです。これは、「書くことも大事だけれど読むことは時にそれ以上に大事だよ」と榎本メソッドで主張する大きな理由の一つです。

A:スマホや辞典も活用しましょう

もちろん、読むだけで本当にいいのか心配だ、という人もいるでしょう。自然と言葉を取り込むだけよりももっと頑張って成果を出したい、あるいは「言葉の豊富さで独自の雰囲気を出したい」という人もいるはずです(文章がシンプルさを失うのであまりおすすめはしませんが……)。
一つのやり方は、小説を読んだりあるいはドラマを見ていたりして知らない言葉が飛び込んできたら、必ず調べる、ということです。昔でしたら国語辞典を抱えていちいち調べるのは大変でしたが、今ならスマホで一発です。しかも一昔前なら「この検索結果大丈夫かな」だったのが、近年は(大抵ごく簡単なものにすぎないとはいえ)辞書の内容を教えてくれます。これはもう昔の作家が夢に見たような超便利機能といえます。疑問に思ったらしっかり調べて、間違えて覚えないようにしましょう。
もう一つは執筆のときの注意ポイントです。「どんな言葉がいいかな」と悩んだ時に、類語辞書を引きましょう。インターネットで接続できるWEBLIOの類語辞典が便利ですが、ちょっとお金を出す気があるなら『感情類語辞典』に始まるアンジェラ・アッカーマンとベッカ・パグリッシの「類語辞典」シリーズがおすすめです。シチュエーションに合わせて、創作に使いやすい類語や似たような言葉がズラッと並んでいるので大変便利なのです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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