Q.ズバリ、いい文章ってどういうものですか?

榎本海月のライトノベル創作Q&A

A:ストレスのない文章を目指しましょう

いい文章が書きたい、文章力を身につけたい、と考えている人は多くいるはずです。あるいは、そうでなければ評価されない、と主張する人も。でも、書いているとふと疑問に思うことがあるはずです。「いい文章ってなんだろう」と。これ、意外とあやふやな言葉なんです。
人によって「いい文章」の定義は異なります。語彙力豊富で様々な言葉を使いこなすのが「いい」のだと考える人もいれば(これについては後述)で、とにかく修飾語で文章を飾り立てるのを「いい」とする人もいます。いわゆる美文を追い求める人もいますね。一方で、必要最低限の描写こそが最良と思う人もいるでしょう。これらは流行や、あるいはジャンルによって少なからず違うので、それぞれの理想があっていいのでしょう。
しかし榎本メソッドはまずライトノベルをターゲットとして磨いてきた技法ですので、エンターテインメント小説、すなわち娯楽として楽しめる文章を意識しています。
そのため、「読みやすく、伝わりやすい」文章をこそ「いい文章」と考えます。具体的にはどうしたらいいのでしょうか。
基本としては、以下のようなポイントを意識してもらいたく思います。

・一文をなるべく短くする
・改行する際は話題で分ける(誰についての描写なのか、なんの事を話しているか、など)
・不要な修飾語や接続詞を減らす
・客観的に状況をイメージできる描写を増やす(どんな場所で、誰がいて、いまはいつなのか、など)

これらのポイントの要点は、「読者がストレスなく物語をイメージできるようにする」ということです。長い文章、適切でない改行、不要な情報、あるいは逆に必要な情報がないことは、読者にとって大きなストレスになります。豊かな表現、あるいは最低限の研ぎ澄まされた表現を目指すにしても、まずは基本として「ストレスのない文章」を目指してみてはいかがでしょうか。

A:音読を心がけましょう

ストレスのない文章、シンプルな文章といっても、具体的にどうしたらいいのかわからない、という人も多いのではないでしょうか。
おすすめは「音読」です。普段小説を書いている時、あるいは見直す時に、音読をする人はあまりいないのではないでしょうか。大抵の人は黙読で済ませてしまっていることと思います。
手間を考えたらそれは仕方がないのですが、もし貴方がより良い文章を書きたいのであれば、音読をおすすめします。声に出して読み上げることで、黙読ではわからない「引っ掛かり」を見つけ、先に挙げたような基礎的なポイントをフォローすることができるからです。

【執筆者紹介】榎本海月(えのもと・くらげ)
オタク系ライター、ライトノベル編集者。榎本事務所に所属して幅広く企画、編集、執筆活動に従事。共著として『絶対誰も読まないと思う小説を書いている人はネットノベルの世界で勇者になれる。』などがある。2019年にも新刊『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方』『物語づくりのための黄金パターン117』『物語づくりのための黄金パターン117 キャラクター編』(ES BOOKS)、『異世界ファンタジーの創作事典』『中世世界創作事典』『神話と伝説の創作事典』『日本神話と和風の創作事典』(秀和システム)を刊行。PN暁知明として時代小説『隠密代官』(だいわ文庫)執筆。講師としては愛知県名古屋市の専門学校日本マンガ芸術学園にて講義を行い、さらにオープン参加形式で【土曜セミナー】毎月開催中。

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